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歌詞

やなせなな 歌詞「春の雪」

今にも 君が その扉を開けて
「ただいま」って笑顔で帰って来るような気がして
見つめる先に広がる ふるさとの海
あの日と同じように降る 春の雪

 いつもと変わらず テーブルをはさんで
 何を食べていたのかさえ もう忘れてしまった
 つけっぱなしのテレビから 流れていたのは
 底抜けに明るい コメディアンの笑い声

 ずっと ずっと そんないとおしい日々が
 当たり前のように続くと思ってた

最後になるって わかっていたなら
話したいこと たくさん たくさんあったのに
見つめる先に もう 君はいない
あの日とおなじように 春が訪れても

 流されて消えた 街の中にたたずみ
 どこを歩いて来たのかさえ もうわからなくなった
 やっと見つけた 君の生きていた証に
 涙は流れなかった 信じたくもなかった

 そっと そっと手を合わせ見送っても
 さよならなんて言えない
 言えないよ

 今でも 君に想いは届くかな
 ことばを からだを すべてを失っても
 見つめて わたしを どんなに遠く離れても
 ここで ひとり 生きているから

 今 君が わたしの心に
 「ただいま」って笑顔で帰って来る
 見つめる先に眠る いくつものいのち
 おかえり と こたえるように降る 春の雪

 おかえり と こたえるように降る 春の雪

アルバム『春の雪』(2013年)収録

©Studio Tabby

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